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日本エシカル推進協議会
2018/05/24

花王の澤田道隆社長が、第22回エシカル朝食会で講演

fukuhara
エシカル日本

 日本エシカル推進協議会(JEI、代表:山本良一東京大学名誉教授)は今月16日、東京都千代田区の学士会館で第22回エシカル朝食会を開催した。今回は、花王の澤田道隆代表取締役社長執行役員(下写真)が登壇し、「ESG活動 (Kirei Action)の推進と実践」について講演した。

 花王は、2017年に中期経営計画「K20」を策定し、同時に「自ら変わり、そして変化を先導する企業へ」とする新たなスローガンを掲げた。ESGに対する見方・考え方が大きく変化する中、澤田氏は、「変化に対応するだけでなく、能動的に自ら変わり色々なところに影響を及ぼすくらいの企業にならなければならない」と考え、決めたという。「企業理念と安全・安心という基本のみ残して、あとは全て変える」方針だ。

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 変化の一つは、企業の持続的成長のための考え方だ。これまでは「コスト」と見られていた環境・社会貢献活動(ESG活動)を、成長のための「投資」に位置付ける。「財務的な戦略・取り組み」と、ESG活動による「非財務的な戦略・取り組み」が循環し、さらなる成長を促すモデルを目指す考えだ。澤田氏は、「これまでの意識では駄目。ESG活動を強化し、投資することで、企業価値の向上を目指す。消費者が『社会的に貢献している企業の製品なので購入しよう』というころまで繋げていかなければならない」と述べた。

 花王グループのESG活動「Kirei Action」のキーメッセージは、「きれいを。こころに。未来に。」。①思いを込めたモノづくりが 「コト」を創造し、「ココロ」に届く②届けた製品を最後までフォローする――の2つの思いが込められている。おむつの「メリーズ」は「思いを込めたモノづくり」から新たなアイデアを生み出した1例で、赤ちゃん用に開発された「ふわふわ」質感の不織布が、住宅用掃除道具「クイックルワイパー」のシートなどに活用。さらには、肌着に吸水性を付与する柔軟剤の技術につながっている。

 同社は、自社製品の「ごみ化ゼロ」を目指し、シャンプーなどの詰め替えパウチをリサイクルブロックに再生する「リサイクリエーション」を新たに開始した。本体ボトル比2割の樹脂で作られるパウチは、輸送効率などがボトルの8割減となり、さらにそれをリサイクルすることで、リサイクルに伴うCO2排出をボトルの約5分の1に削減できる。また同社は、本体ボトルを無くし、ホルダーに装着して使用する「スマートホルダー」も新たに開発。シャンプー「エッセンシャル」やボディソープ「ビオレu」用に発売した。詰め替える手間が不要になる新たな取り組みとして、澤田氏は、「詰め替えシステムをグローバルスタンダードにしていきたい」と述べた。

 講演の前には、レスポンスアビリティの足立直樹・代表取締役から、「エシカル基準の検討状況報告」について、FEMの山口真奈美・代表取締役から、「エシカルラベルの現状と課題」についての特別報告があった。

 なお、今回のエシカル朝食会のメニューは下記の通り。

・大野村農園(福島) 自然飼育たまごのココット焼き

・厚切りベーコンのチーズ焼き

・湧水クレソン(北海道)のサラダ

・ピーチパイン(沖縄)

・エシカルジャム

・牛乳

・ジュース

・米粉パン

・コーヒー(フェアトレード商品)

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