日本エシカル推進協議会(JEI)は、9月17日(水)の14:00―16:30まで、YKKAPの講演会会場にてエシカルアイデアソンを開催し、2040年までにエシカルな消費者行動を社会に定着させるための具体的な戦略とアクションプランが議論されました。
会議は、気候変動の非常事態に関するJEI生駒会長の危機意識の共有から始まり、早急な行動の必要性が強調されました。また、山本良一栄誉顧問(東京大学名誉教授)からは、気候と環境の非常事態に直面している今こそ、自治体は気候非常事態を宣言し、市民と協力して脱炭素と気候変動適応に取り組むことが必要だとされました。その後、岡田副会長から、2040年に向けた消費者行動をテーマにしたグループワークが提案され、参加者はオンラインと会場で分かれて活発な議論を交わしました。
グループワークで出た主な意見
グループワークでは、「エシカル消費」を当たり前にするための多角的なアプローチが検討されました。
- 消費者の行動変容: エシカルラベルや商品の生産・リサイクル経路を消費者が確認することが当たり前になる社会を目指すべきだという意見が出ました。また、豊かさに対する考え方を変え、環境に配慮した消費意識を育むことが期待されました。
- 教育と啓発: 若い世代に対するSDGsやエシカル消費の教育の重要性が強調されました。CMなどを活用した情報発信も提案されました。
- 制度的なアプローチ: 公共調達におけるエシカル商品の普及や、法律・制度の整備が重要視されました。政府の補助金や、月間のグリーン購入プログラムの活用も検討されました。
- 情報提供の改善: 消費者がエシカルな商品を自然に選択できるよう、商品ラベルの統一化や、情報提供の不足を解消する必要性が指摘されました。
- ユニークなアイデア: ゲーム感覚でエシカル消費を促進する「バイポットポイント」という仕組みも提案されました。
推進に向けた課題と解決策
各グループは、目標実現に向けた課題と解決策についても話し合いました。主な課題として、情報提供の不足、商品ラベルの不明確さ、社会全体の価値観の変化の必要性が挙げられました。これらの課題を解決するため、参加者は以下の具体的な方法を検討しました。
- 消費者や企業の意識向上
- 公共施設やスーパーでのエシカルラベル表示
- 若者向けの教育体制の構築
- 企業との協力体制の構築
会議の結論と今後のアクション
足立副会長より、今後は制度作りに重点的に取り組んでいく方向性を示し、参加者に協力を呼びかけました。このアイデアソンは、気候変動の危機意識を共有しつつ、2040年までにエシカル行動を社会のスタンダードにするための具体的な道筋を描く貴重な機会となりました。
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