JEIエシカルラボ(2018年9月27日)より

レインフォレスト・アライアンス日本の一倉千恵子氏にお越し頂き、レインフォレスト・アライアンス設立の経緯から、現在の日本での認証製品の展開やメディア露出などについてお話頂き、その中で具体的な認証制度の仕組みについてもお話頂いた。また、日本でも当認証製品の流通が増えてきた一方で、制度についての認知度向上の課題などのご報告も頂いた。

レインフォレスト・アライアンス

レインフォレスト・アライアンスは、30年以上前に深刻化した農業や林業のための熱帯の森林破壊をうけ、1987年にダニエル・カッツが中心となり設立された非営利団体。単に立ち入りを禁止するなどして森林を保護するのではなく、適切な土地利用をし、適切に「恵み」を享受することにより地域住民の生活も向上させ、持続可能な農業を推進することが重要である。

2018年1月に認証プログラム『UTZ』と合併したが、本講演においては旧レインフォレスト・アライアンスの活動についての内容となる。今後は両団体合計45年間のサステイナブルな農業推進やサステイナブルなサプライチェーン構築の経験を統合し、新ミッションに取り組むが、基本的な考え方は変わらない。 ⑴土地の利用法、⑵商取引の方法、⑶消費者の行動、これらを変えていくことにより、生物多様性の保全、そして持続可能な生活の確保を行なっていく。またこれを実現するためには、生産者だけでなく、サプライチェーンに関わるすべての企業やすべての消費者が行動を変える必要がある。

旧レインフォレスト・アライアンスの活動の結果としては、現時点で合計350万ヘクタールとなる130万件の認証農家が57カ国に存在する。世界の生産市場の割合では紅茶が約20%と非常に高く、そのほかにコーヒーやカカオ、バナナなどがある。

認証制度の概要

当認証では持続可能な社会に必要な⑴環境、⑵社会、⑶経済の3つを軸として、認証基準の策定、農園のトレーニングを行なっている。農園の認証については、各地の第三者認証機関が行う。基準の策定においては、「環境」を2軸(生物多様性、資源)に分けた4軸に分けてそれぞれに対応した基準が策定され、1項目でも落とすと認証が取れない合計37項目の「必須項目」を設けている。

それらの基準に適応できるよう、レインフォレスト・アライアンスでは農園向けのトレーニングを行っている。短期的な利益のために無理な方法をとる農園も少なくないため、正しい知識の提供が重要であると考える。7か国語に対応したオンラインテキストや、ポスター、ビデオによる教育の他に、近年のスマートフォンの普及を生かした、生産者向けのアプリも導入している。このアプリを使い、生産者は他の農園の生産者とビデオや写真も交えた様々な情報を交換することができる。

実際に監査を受けて当認証を取った農園もそれで終わりではなく、毎年の「年次監査」に合格することで認証を維持することが出来る。また、認証を継続するごとに合格条件が厳しくなり、必須項目に加えてその他の基準への適応が求められるという仕組みを採用している。そうすることで、改善の継続を確保することができる。

そしてそれらの認証を経て生産された作物と消費者をつなぐために、「CoC認証」というサプライチェーンに関わる事業者向けの認証がある。レインフォレスト・アライアンス認証の生産物を仕入れる事業者から、最終的に認証製品を生産し包装する事業者までそれぞれ適正に認証製品の流通加工を行うことを示す「CoC認証」を取得することで、トレーサビリティを担保することができる。

国内事情

当認証製品は4000以上、120か国で使用されているが、近年では日本でも多く流通しており、大手食品企業も様々な認証製品を発売している。2015年には大手食品企業4社(キリン、ローソン、ユニフルーティ―、ユニリーバ)によって、会員同士での情報交換や認証度向上のためのキャンペーンなどを行う「レインフォレスト・アライアンス・コンソーシアム」が設立された。当グループが行った認証マークの認知度調査では、「(レインフォレスト・アライアンスのカエルのマークを)知っている」と回答した割合が7.1%と厳しい結果が得られたが、認知度向上を目的としたTwitterでのキャンペーンを通してレインフォレスト・アライアンスのフォロワーが増加するなどの結果も出ている。

また、メディアにおいての当認証の露出も増加している。その分野は多岐にわたり、高速道路のサービスエリアで認証製品が取り扱われたり、自治体の消費者教育用冊子やファッション雑誌でも認証についての記事が掲載された。

レインフォレスト・アライアンス認証は国連持続可能な開発目標(SDGs)にも様々な面で関連している。認証制度により17の目標の内ほぼすべての項目に関わる「生産性と生計」、「健康、教育、性における平等」、そして「水、土地、気候変動」の改善に貢献し、当認証製品を取り扱うことでさらに目標の達成へ貢献することができる。

 

講演資料:https://drive.google.com/open?id=16YhV1CLN-8I0ZE5FCGIr55chBW5_aqLb

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